蝦夷鹿さんとアイヌ
エゾシカ(蝦夷鹿、学名:Cervus nippon yesoensis)は、北海道に生息するシカの一種。シカ科シカ属に分類されるニホンジカの亜種。
アイヌにとってエゾシカはほとんど主食といってもよく、弓矢やイヌを用いたり、崖や水中に追い立てたりして狩猟してたそうです。
内臓は生で食べ、膀胱は脂肪を溶かしたシカ油を保存する入れ物として利用してました。また、角はクマや海獣を狩るための槍や農具に、毛皮は防寒着に使用し、陰茎は占いに利用したそうです。
エゾシカが著しく減少した明治初期には、餓死するアイヌも現れ、狩猟生活から農耕生活へ転向する者が増えました。 アイヌはイヨマンテなどの儀礼にエゾシカを用いる事はなく。また、アイヌ文化においてはシカそのものの神(カムイ)は存在せず、ユクコロカムイ(シカを司る神)と呼ばれる神が人々の祈りに応じて地上にシカを放すモノだと考えられており(同様の考えはアイヌの重要な食料魚だったサケでも伝えられている)、シカが取れた際はユクコロカムイにカムイノミ(神への礼拝)を捧げて謝意を表すのが習いがあったそうです。
アイヌに生活に欠かせなかった蝦夷鹿…そんな自然の恵みに感謝し、ぜひ一度ご賞味ください。
0コメント